「まくらぼ」の枕の仕組みは?従来の枕との違いを解説!




先日の記事にも書きましたが、
私、最近人生初のオーダーメイド枕を購入しました!!

購入したのはまくらぼというお店です。

『まくらぼ』って?

『まくらぼ』株式会社大和屋ふとんが運営するオーダーメイド枕の専門店です。

現在、関東地方を中心に24店舗を展開しています。

(「まくら」の「ラボ」ということですね!センスいい~!)

そしてこちら、オーダーメイド枕に関する実用新案も出しているようです。


特許庁実用新案登録 第3171680号
まくらぼの《オーダーまくら》は、まくらぼだけの製法でお作りしております。

出典:まくらぼHP

そこで今回は、上記実用新案公報を読み解くことで、
まくらぼの枕の仕組みに迫ってみたいと思います!!

(特許と実用新案の違いについてはこちらを参照)

まくらぼ 実用新案を読んでみた

対象文書の情報


【実用新案登録番号】実用新案登録第3171680号
【考案の名称】枕
【出願日】平成23年9月1日
【実用新案権者】株式会社大和屋ふとん

まくらぼの枕のキモは?


【課題】
変形し難く最適な形状を保持できる枕を提供する。

(実用新案登録第3171680号)

上記【課題】から分かるように、まくらぼの枕のキモは

「自分の頭の形とぴったりフィットするように調整後、その形状を長期間維持できる枕である」

というところです!!

「形状を長期間維持できる」というところが特に重要なポイントです。

では、その理由を少しずつ紐解いてみましょう。

従来技術とその問題点

当人の頭の形や寝るときの向き(横向き or 仰向けなど)により、
最適な枕の形は違うはずですよね。

その人にぴったり合った形の枕にするためには、細かい調整が必要です。

そこで従来より、オーダーメイド枕の場合は

枕を複数の区画に分け、各区画の大きさや詰め物の量を変化させる

ことでその調整がされてきました。

こんな感じですね。


(実用新案登録第31545633号 「図2」より)

しかし従来のオーダーメイド枕では、
枕を調整後、使用しているうちに枕の形が変形してしまい、最初に調整したときの効果があまり持続されなかった
ようです。

まくらぼの実用新案中では以下のように述べられています。


仰向きに寝ている場合と横向きに寝ている場合でも快適な支持ができるように、枕の形
状を整えることが好ましい。そのために、上記の特許文献では、枕を複数の袋による区画
に分けて、袋の詰め物の量により枕の各部の高さや全体の形状の調整をしている。しかし
ながら、枕の詰め物は使用時に移動して、枕の形が変形する。従って、最適な高さや形状
に設計をしても、使用しているうちに枕の形が変形して当初の効果が得られなくなる。

(実用新案登録第3171680号 【考案が解決しようとする課題】から抜粋)

では、なぜ枕の形を維持することが難しかったのか?

それは、

枕を複数の区画に分けるときの方法

と関係があります。

次の「解決手段」で詳しく見てみましょう。

解決手段

以下に、まくらぼの枕と従来技術でつくられた枕の図を示します。

まくらぼの枕

(実用新案登録第3171680号 「図2」より)

従来技術による枕

(実用新案登録第31545633号 「図2」より)

着目していただきたいのは、後頭部を支える部分の袋の数です。
上記2つの図で比較してみましょう。

図中の赤丸部分が、後頭部を支える部分の袋です。

図から分かるように、この部分の袋の数が


まくらぼの枕:2つ
従来技術の枕:1つ

であることが分かります。

後頭部の形って、丸いですよね。
その丸い形にフィットするには、枕も丸い形にする必要があります。

従来技術ではその丸い形を1つの袋でつくろうとしているため、
どうしても袋が変形しやすい状態である必要があります。

そのためには袋に入れる詰め物の量を少なくする必要があるのですが、そうすると
変形しやすい枕となってしまうのだそうです。

一方まくらぼの枕では、後頭部の丸い形を2つの袋で支えます。
さらにこれらの袋は、首を支える部分の袋よりも低く設定されています。


(実用新案登録第3171680号 「図4」より)

この場合、
図のように2つの袋の間の部分に後頭部の中心がはまることになるため、
この2つの袋に十分な量の詰め物を入れても後頭部の丸い形にフィットすることができます。

袋に入れる詰め物の量を多くできるので、変形しにくい枕にすることができるのです。

まくらぼの枕にはこんな機能も!

上記実用新案によれば、まくらぼの枕には
上記で述べた内容以外にも以下のような機能があるようです。

  • 首を支える部分の形が長方形と台形の2種類あり、横向き寝と仰向き寝の両方に対応可能

  • (実用新案登録第3171680号 「図3」より)


    (実用新案登録第3171680号 「図3」より)

        

  • 高さの微調整が簡単
  • 同じ枕で冬用と夏用に適した使い方が可能
  • 鼻に近い袋の詰め物に香り玉を混在させると、香りの効果が得られる

まくらぼの実用新案を読んでみて(感想)

普段枕に関する明細書を読むことはほとんどありませんが、
何の分野の明細書にしろ、発明のキモを見抜くための練習になるなと思いました。

今回読んだ実用新案も、明示的に

「これがキモです!!」

と書いてあったわけではありませんが、文脈から考えたり参考文献と比較したりして

「これがキモなんじゃないかな。」

と自分なりに考えながら読むことができました。

寧ろ、身近な題材だからこそ発明のキモを読み取るための練習には向いているんじゃないかな、とも思います。

あとは、いろんなオーダーメイド枕の特許や実用新案を読んで、
それらを構造や機能の面で比較できたら面白そうだな~と思ってます。
まだ未定ですが!

それでは、また次回お会いしましょう!

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2 件のコメント

  • 面白くて一気に読んじゃいました!
    まくらぼかいたくなっちゃいます笑。
    身近なものの特許は面白いですね。
    ちなみに私も不眠気味で、お悩み理解できます。
    昼寝できないのはつらいですよね。
    私は昼寝すると夜寝付けなくなるという理由で、昼寝ができないタイプです。

    • Aumiさん

      コメントありがとうございます!!
      がんばって書いたかいがありました!!!笑

      眠りに関する悩みは本当につらいですよね。
      昼寝すると夜寝付けない、これもつらいですね・・・。

      睡眠が順調になればそれだけで人生バラ色なんじゃないかとさえ思います・・・!

      もし睡眠に関して取り上げてほしい内容などあれば、
      遠慮なくおっしゃってください。

      睡眠改善、一緒にがんばっていきましょう!

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