トライアル応募までに、少なくとも2分野の対訳学習を済ませておきたいと考えていました。
その2つ目として考えていたのが、「レジスト材料」分野です。
レジスト材料に関してはIBMレジストシリーズで一度学習&ノート作成しているため、
基礎知識の補充に時間をかけずともスムーズに対訳学習を進められるだろうと考えたためです。
とはいえ、レジスト材料業界のシェアや特許出願動向などについては全く把握していなかった私。
レジスト材料とはいえ、その種類はいろいろ。
どの材料について攻めていくかを考えるためにも、まずは業界調査が必要だと考えました。
そこでビデオ(2121)を参考に、
- レジスト材料の発展の歴史、各材料の特徴まとめ
- 業界のシェア確認(日本メーカー、海外メーカー)
- 各メーカーの特許出願動向調査
を行いました。
分かったこと
結論から言えば、
「レジスト材料分野を得意分野とするのは得策ではなさそうだ」
という印象を持ちました。
以下の図をご覧ください。
(JSR株式会社HPより)
この図は半導体製造材料の日本メーカー、海外メーカーのシェアを示したものですが、
フォトレジストに関してはそのほぼ全てのシェアを日本メーカーが握っています。
この図から、
海外メーカーのレジスト材料分野に関する特許出願数は相当少ないのではないか。
つまり、レジスト材料分野の明細書の和訳案件はほとんどないのではないか。
と予想しました。
<日本企業>
JSR (世界1位)
東京応化工業(世界2位)
信越化学工業
<海外企業>
Dow Chemical(米)
Electronic Materials(米)
参考:
2012年版 先端半導体レジストの現状と将来展望
世界シェアトップの日本企業と製品。実はこんなところにも?地味すぎる化学素材メーカーまとめ
その後、JSR、東京応化工業、Dow Chemicalがレジスト材料に関してどのような特許を出願しているのかを調べてみました。
JSRのメインは化学増幅型レジストとシリコン含有レジスト。
東京応化工業はほぼ化学増幅型レジストのみに特化している印象を受けました。
化学増幅型レジストは現在の主流ですから、やはり両社ともに力を入れているのでしょう。
対してDow Chemical。
J-platpatとEspacenetで特許を検索してみましたが、
レジスト材料関係の特許出願は少数にとどまっているようでした。
やはりレジスト材料に関しては、日本がモンスターなのだろうと思います。
で、どうするか
今回私が応募しようとしている翻訳会社では、化学系や電気系の翻訳者が求められているようです。
レジスト材料を得意分野にして、それをCVでは化学分野全体として見せようと思っていたのですが、
今回の調査の結果、レジスト材料に関する和訳案件は相当少ないだろうと思われたため、
レジスト材料をCVで押し出すのはどうなのだろうか・・・と思いました。
もちろんレジスト材料から化学全般に膨らませることはいくらでも可能なのでしょうが、
需要の少ないレジスト分野を無理に選ぶ必要もないのではないか、と考え始めました。
で、いろいろと考えた結果。
トライアルレビューCシリーズに取り組むことにしました。
こちらはゴリゴリの有機合成関係なので、レジスト材料分野よりもCVで広げやすそうですし、
海外企業の関連特許出願数もある程度あるようなので。
原文全体を読み込み、背景知識を調査&学習し、類似特許の対訳をとり、原文全体を翻訳。
という一連の流れに沿って学習していきます。
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