微分積分④ ~微分と積分との間のふか~い関係とは??微分と積分の統一による革命!~




いよいよ微分積分の核心に近づいてきましたよ!!

前回は、「「無限に小さくして足し合わせることで面積や体積を求める」」という積分の考え方を用いた様々な手法を紹介しましたね。

先人たちにより面積や体積を求めるための様々な方法が発明されましたが、どれも限定された領域にしか適用できないものでした。

微分積分③ ~無限に小さくして足し合わせる!!積分とは一体何なのか?積分の歴史と絡めて解説します!~

2019.11.06

果たして、どんな領域に対しても適用可能な方法はないのだろうか・・・。

今回はいよいよ、この難問の解決に迫るための

微分と積分の間のふか~い関係

について説明します!!

このふか~い関係を発見したのは、ニュートン(とライプニッツ)です。

彼らの業績はどんなものなのか、その概要を覗いてみましょう。

ふか~い関係の正体:「微分と積分は逆の関係にある」!!

はい、これです。

「微分と積分は逆の関係にある」

これが、微分と積分との間のふか~い関係なのです!!

「逆の関係」とは具体的に言えば、

関数\(f1(x)\)を積分すると関数\(f2(x)\)になる場合、関数\(f2(x)\)を微分すると関数\(f1(x)\)になる

ということです。

この関係が発見されたことで微分と積分が統一され、その結果、様々な領域に対して面積や体積の計算が可能となったのです!

ところで・・・、

「ある関数を積分して、別の関数を得る」という概念、初めて出てきましたね。
前回の記事では出てきませんでした。

実は前回の記事では「積分 = ある領域の面積や体積を求めること」としか説明していませんでしたが、

積分にはもう一つ、

「面積や体積を表す『関数』を求める」

という側面があるのです。

上記の2つの側面における積分計算をそれぞれ「定積分」「不定積分」といいます。これらの違いに関しては別記事で詳しく解説します!

上記のふか~い関係を理解するには、この「関数を求める」という側面について理解しておく必要がありますね。

先にそちらを説明しましょう。

(※なお、「面積」と「体積」を求めるケース両方を説明しようとすると煩雑になるため、これ以降は積分により「面積」を求めるケースだけを考えます。)

(※これ以降では、簡単化のため\(f(x) > 0\)の場合に限定して議論します。)

先ほども軽く書きましたが、

ある関数を積分すると、その関数の「下側の面積」を表す別の関数が得られるのです!

「下側の面積」とは、以下の図のように、「\(x\)軸、\(y\)軸、その関数自身で囲まれた領域の面積」のことです。

つまり任意の\(x\)の値について以下のように一般化した結果、以下のように元の関数の面積を表す関数が得られる、ということですね。

微分での一般化①を考えた場合と考え方は同じです。

例として\(y=3x^2\)という関数の面積を表すことを考えた場合、元の関数とその関数の面積を表す関数との関係は以下のようになります。
ちなみに、この面積を表す関数のことを「原始関数」と呼びます。

さて、

「元の関数を積分してその原始関数を求める」

ということに関して、何となくイメージを持っていただけたでしょうか??

原始関数を求めれば、元の関数の面積がすぐ分かりますよね。

次はいよいよ、

「微分と積分は逆の関係にある」

ということはどういうことか、少し踏み込んで見ていきたいと思います!!

「微分と積分は逆の関係にある」とはどういうことか?

先ほども述べましたが、

「微分と積分は逆の関係にある」

とは、具体的には

関数\(f1(x)\)を積分すると関数\(f2(x)\)になる場合、関数\(f2(x)\)を微分すると関数\(f1(x)\)になる

ということです。

先ほどの原始関数の説明を参考にして言い換えると、

関数\(f1(x)\)の原始関数が関数\(f2(x)\)である場合、関数\(f2(x)\)の導関数は関数\(f1(x)\)である

ということになりますね。

この関係、言葉として聞いただけでは全然イメージできませんよね・・・。

そこで、図解して考えてみたいと思います!!

①微分の操作を図解してみる

\(y=x^3\)を微分すると、その導関数は\(y=3x^2\)となります。

この操作を図解してみましょう。

まず、\(y=x^3\)のグラフは以下の通りですね。

ここで、このグラフをx軸上の幅が1である微小部分に分けてみましょう。

幅が1だなんて微小部分と言えるのか?という疑問もありますが、今回は分かりやすく考えたいので幅1で考えてみます。厳密さよりもイメージのしやすさを重視しました。

さらに、各微小部分における曲線の接線の傾きを考えてみましょう。
微小部分に分けると曲線は直線と近似できるはずですから、各点における接線の傾きは以下のようなバーの高さと対応すると考えることができます。

そして、各バーをx軸上、\(x>0\)の領域まで移動させて並べると・・・

\(y=3x^2\)の関数が出現しました!

これはつまり、\(y=x^3\)の各\(x\)における接線の傾きが\(y=3x^2\)の各\(x\)における高さに相当する、ってことですね。
つまり、「\(y=x^3\)を微分すると\(y=3x^2\)になる」ということです。

②積分の操作を図解してみる

引き続いて、\(y=3x^2\)を積分する操作を考えてみましょう。

微分の説明のところで最後に出てきた以下の図からスタートします。

図中のバーを今度は上下各方向に重ならないように積み上げていくと・・・、再び\(y=x^3\)の関数が出現しました!!

ここで、図中、\(y=3x^2\)におけるバー3本分の面積を考えてみましょう。

\(y=3x^2\)の関数におけるバー3本分の面積は\(y=x^3\)の関数のバー3本分の高さに相当します。
バーの横の長さが1であると考えると理解しやすいですね。

つまり、\(y=x^3\)のあるxでの高さは\(y=3x^2\)のある\(x\)における面積に対応する、ってことですね。
つまり、「\(y=x^3\)を微分すると\(y=3x^2\)になる」ということです。

~~~

さあ、これで、

「微分と積分は逆の関係にある」

というイメージをなんとなく掴めたのではないでしょうか??

ちなみに、上の説明は以下の動画を参考にしています。非常に分かりやすい動画なので、ぜひ観てみてください!↓

「微分と積分は逆の関係にある」ことで受けられる恩恵は??

「微分と積分が逆の関係にある」ということに関しては理解していただけたと思います。

それでは、

なぜこの関係を用いると、どんな領域に対してもその面積を求めることができるようになるのだと思いますか??

答えはずばり、

原始関数を求めることで元の関数の面積が求められるから

です!!原始関数は面積を表す関数そのものですからね。

そしてさらに、

原始関数は「微分すると元の関数になる関数」なので、微分の公式が分かれば原始関数を求めることができるのです!!

つまり、微分と積分が逆であるという関係を使って原始関数を求められるので、その結果元の関数の面積を知ることができるんですね。

前回のブログのようにわざわざ面積を求めたい領域を微小領域に分けて足し合わせるという動作をしなくても、原始関数を求めれば面積がすぐにわかるんですね~。これは便利!!

ということで、「微分と積分は逆の関係にある」という関係を使うことで、どんな関数でも(※正確には、原始関数を求めることが可能などんな関数でも)その関数の面積を知ることができるようになったのです!

そしてこのように様々な関数の面積を求めてそれらを組み合わせることで、より複雑な領域の面積も求めることができるようになるのです!!

これは確かに偉大な発見ですね!!

まとめ

微分と積分との間にはどのような関係があるのか。そして、その関係を用いることでなぜ様々な領域の面積を求めることができるようになるのかを説明しました。

この関係が発見されたことで微分と積分は統一され、微分積分学として発展していくことになったのです。

次回は、今回曖昧なまま説明をはしょってしまった「不定積分」と「定積分」について説明したいと思います!

参考書籍


↓上の本の内容がもう少し詳しく説明されてます。図解が豊富で分かりやすい!コラムも面白いです。

参考ページ

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