山田朱織研究所!整形外科枕とは如何に??①




こんにちは、黒豆納豆です。

枕の特許紹介第2弾!
今回は「山田朱織研究所」のオーダーメイド枕を取り上げてみたいと思います。

「山田朱織研究所」とは?

「山田朱織研究所」は、整形外科医である「山田朱織」先生が考案したオーダーメイド枕を販売している会社です。
(ちなみに先生は女性です)

これまでの整形外科診療で集めたデータを元に考案された枕で、「整形外科枕」と呼ぶようです。
医学的な見地から生まれた枕。他店のオーダーメイド枕とは一味違いそうですね。

ちなみに「山田朱織研究所」には、「枕診断士」と呼ばれる方々がおられます。

この方々は枕作成のための身体の測定から睡眠、寝具に関する各種アドバイスまでをこなす、睡眠のプロフェッショナル。
実際に来店して枕を作成する際には、この方々が対応してくださるようです。

社内認定を受けた方のみが「枕診断士」として働けるとのこと。
やはり医学的な見地から枕を作成するには、枕作成のための計測にも特別な技術が必要ということなのでしょうかね~。

それでは、このように他店とは一風変わった雰囲気を放つ「山田朱織研究所」の枕。
その特許を読んでみましょう!

「山田朱織研究所」特許を読んでみた

特許情報


【公開番号】特開2004-209099(P2004-209099A)
【公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【発明の名称】マクラの高さの調整方法
【出願人】
【識別番号】503014403
【氏名又は名称】山田 朱織

要約(課題&解決手段)

まずは要約から見てみましょう。

特許明細書を読むとき、基礎知識がない場合は従来技術から読むのがよいのでしょうが、
ここは日常で親しみのある「枕」が題材ということで、要約から行きます。


(57)【要約】
【課題】頸椎症状を発生させず、また、治癒できるマクラを提供する。
【解決手段】使用者11が横向き姿勢で、頭部6をマクラ120(130)の上に載置して床面10上に寝た状態において、この使用者11の体軸中心線Fと床面10とが、ほぼ平行になるように前記マクラの高さhを調整することを特徴とするマクラの調整方法。

(特開2004-209099)

まず気になるのが、「頸椎症状」という言葉ですね。
「整形外科枕」っぽいワードが登場しました!

どうやらこの特許では、この
「頸椎症状の緩和」
が重要なキーワードになりそうです・・・!

ちなみに頸椎とは、以下の図の赤い部分の骨を指します。
頭を支えている首の骨のようです。

(出典:wikipedia

どうやら、頸椎と枕には深~~い関係がありそうです。

そして、上記解決手段では
「横向きの状態にて体軸中心線と床面がほぼ平行になるようにマクラの高さを調整する」
と述べられています。

この体勢が、頸椎症状を発生しないための一番よい姿勢なのでしょう。
(ちなみに体軸中心線Fの記号はなぜか図中には示されていませんが、点Nと点Mを通り床面に平行な直線がFだと考えてください)

発明の詳細な説明(発明の属する技術分野&従来の技術)

ここでは、『枕』というものの本来の目的について詳細に説明されています。


【発明の属する技術分野】
本発明は、睡眠状態において人間にとって整理的に重要な意味を持つ寝返りを促し、かつ解剖学的に頸椎を安定して支持し、その結果、肩凝りや手の痺れなどの頸椎症状を解消できる特性を持つマクラ及びそのマクラの高さの調整方法に関する。

(特開2004-209099)

上記文章から分かるように、枕の本来の目的は

① (頸椎にとって安全な状態での)寝返りを促す
② 頸椎を安定して支持する
③ ①と②により、頸椎症状を解消する

という点にあるようです。

そしてこの3つの目的を達成するためには、既製品の枕だと役不足だそうです。
まあ確かに、既製品では自分の頸椎の形と合っていないでしょうし、頸椎を安定させるには役不足だろうということは想像できます。

睡眠時の頸椎症状発症機構

では、安全な寝返りを促したり頸椎を安定して支持することが、
なぜ頸椎症状の緩和とつながるのでしょうか。

先に結論を言ってしまうと、
「頸椎から伸びている神経が圧迫されないようになるため」
です!

まずは頸椎の具体的な構造について説明しましょう。


(特開2004-209099 図5)

1:頸部
2:頸椎を構成する骨である椎体
3:椎体の間の窪み
4:窪み3の合間に形成される頸間孔
5:神経

ヒトの頸椎は上図のような構造であり、頸間孔4の部分から神経5が引き出され、体の各部の動きや感覚的な痛みを制御しています。

つまり、何らかの原因で椎体2の位置や間隔がずれた場合、神経5が圧迫されてしびれや痛みなどの症状(頸椎症状)を生じるということですね。

これを緩和するために、安全な寝返りを促したり頸椎を安定して支持することが必要だと言っているわけです。

では、適切な枕を使用しなかった場合はどのようなことが起きるのでしょうか。
以下の図をご覧ください。


(特開2004-209099 図6-8)

上:枕が使用者の体型に対して「低すぎる」場合
中:枕が使用者の体型に対して適切な高さである場合
下:枕が使用者の体型に対して「高すぎる」場合

一番上と一番下の図は枕の高さが不適切なケースであり、どちらも頸間孔が狭くなることで
神経を圧迫してしまっています。
この体勢、見るからに寝づらそうですよね・・・。

真ん中の図は枕の高さが適切なケースであり、頸間孔が最大限に拡大されているため
神経が圧迫されず、頸椎症状が現れにくい状態となっています。

適切な寝姿勢を保つためには?

「要約(課題&解決手段)」にて述べましたが、
「横向きの状態にて体軸中心線と床面がほぼ平行になるようにマクラの高さを調整する」
ことで枕をその人に合った高さに調整することができるようです。

(特開2004-209099 図10)

長くなりそうなので、今回はここまで。
次回はこの図に示した枕の調整方法について、詳しく見ていきたいと思います。

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